7.縫う前の下準備
型紙、生地、洋裁道具などが揃ったら、すぐにでも縫い始めたいところですが、美しく仕上げるためには下準備が必要です。
生地によっては、布目がゆがんでいたり、一度洗濯しただけで縮んだりします。布目のゆがみを直すことを「地直し」、水に浸けてあらかじめ縮ませることを「水通し」と言い、これをするとしないとで、仕上がりや縫いやすさに差が出ます。
日本製の生地では、ゆがみや縮みの防止加工が施されているものが多く、水通し・地直しの必要がない生地もあります。また、色落ちやアイロンなどに注意しなければならない生地もあるので、購入する際にお店で確認することをおすすめします。
綿・麻の場合
洗濯によって縮みやすいので、購入したらまず「水通し」をしましょう。生地をきれいにたたんで洗濯ネットに入れ、30分~1時間程度、水に浸します。軽く押して水を切り、日の当たらない平らなところに広げて干します。
綿・ニットの場合
水に浸けると、ある程度のゆがみが直ります。干すときに、手で布を縦・横に引っ張って整えましょう。それでもゆがみが直らない場合は、生乾きの状態で生地の裏から押さえるようにしてアイロンをかけます。
ウール・ニットの場合
アイロンの蒸気をあて、ゆがみを直す方向に引っ張ってから、熱が冷めるまで平らな場所に広げて置いておきます(放反)。
ニット全般の注意点
天竺ニットのような布端が丸まりやすい生地で、特に用尺が少ないときは、水通しをすると余計に丸まって扱いにくくなる場合があります。生地を購入後、平らな場所に広げて1~2日置いておく(放反)だけでも、ある程度のゆがみが直りますのでお試しください。
生地の縦・横を見分ける
ニット生地は縦より横によく伸びます。型紙の地の目線が布の縦糸と平行になるように配置すると、胴まわりが伸びて着やすくなります。
型紙の「わ」に注意する
型紙に「わ」と書いてある辺は、生地を二つ折りにした折り目と合わせ、生地が2枚重なった状態で裁断します。
柄合わせする場合
縫い合わせる部分にポイントを決め、そこに同じ柄がくるように型紙を配置します。
「わ」と書いてある型紙でも、生地を二つ折りせず、型紙の「わ」の辺を軸に反転させて印をつけ、1枚で裁断したほうが、柄がずれにくくなります。
POINT
型紙を生地に写すときは、生地を引っ張らないようにしましょう。ニットは伸びやすいため、力を入れると生地が動いて印がずれてしまいます。待ち針で型紙をとめると生地がずれる場合があるので、「重し」を2個以上使って固定しましょう。
生地を動かさない
生地に型紙を配置したら、なるべく動かさないように、裁断しやすい方向に自分が動きます。生地と作業台の間にはさみを滑り込ませるように入れたら、もう片方の手で生地を固定しながら、はさみをゆっくり大きく開閉させて切ります。
ノッチをつける
型紙に「合印/ノッチ」の記号があれば、裁断した生地にノッチを付けます。ノッチとは、合印部分の縫い代に2~3mmの切り込みを入れることを指し、縫うときはこの切り込みを目印にします。
POINT
生地を切るときは、よく切れる裁ちばさみかロータリーカッターを使いましょう。ニット生地や小さいパーツの裁断には、ロータリーカッターがあると便利です。はさみで生地を押しながら切らないようにしましょう。